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兵庫県立加古川病院

医療ニュース

The Medical News

2005年1月 創刊号

目次

  1. 医療ニュースの発刊に当たって
  2. 内科の紹介
  3. 外科の紹介
  4. 整形外科・リハビリテーション科の紹介
  5. 皮膚科の紹介
  6. 泌尿器科の紹介
  7. 産婦人科の紹介
  8. 眼科の紹介
  9. 耳鼻咽喉科の紹介
  10. 放射線科の紹介
  11. 麻酔科の紹介
  12. 編集後記
  13. お問合せ

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1.医療ニュースの発刊に当たって

院長  佐藤 茂秋

 兵庫県立加古川病院の医療ニュース創刊号をお届けします。このニュースは主に当地域及び県全体の診療所や病院等の医療関係者の方々を対象として、当院の医療活動を定期的に紹介し、その内容をよく理解していただき、利用していただく時の御参考になればと願って発刊するものであります。この創刊号には診療各科の診療内容の特色、これまでの実績、更には今後の方針及びスタッフの紹介を掲載しております。

 当県の県立病院については現在その構造改革が進められております。すべての県立病院が他の公私立病院と同じ診療内容で今後も進んで行くのではなく、個々の県立病院が各々の特色を活かして、専門の分野で県民の診療に当たる。この為に各々の病院に高度の専門知識、技術を持つ医療関係者を配置し、機器の整備を行う。同時に各々の地域の医療機関との連携を更に強化する事等であります。

 当院の今後の方針は、生活習慣病を中心とした高度医療と予防に役立つ診療を推進しながら、県立成人病センターとの連携のもと癌等の患者さんの終末期医療も行おうとするものです。この為既に本年4月から完全予約制で、時間を十分とった生活習慣病外来を開設しているところです。本ニュースの外科の部分でも紹介しております様に急増している乳癌の治療の為に乳腺外来も開きました。これと同時に当院は1類、2類感染症に対応出来る病院も目指しております。

 地域の皆様方の関心事の一つである救急救命センターは、当院の将来の移転新築に合わせ併設される予定とされておりますが、今の所具体的細部は決まっておりません。

 いずれにせよ当院は、常に最良の医療の提供と疾患の予防に努め、地域と県の安寧と発展に資するという基本理念のもと、地域連携を更に効果的に推進しながら、より良い医療機関の確立に努力するつもりです。今後共皆様方の御協力をお願いいたします。

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2.内科の紹介

内科  尹 聖哲

  1. 診療内容の特色

     急性疾患から慢性疾患、悪性腫瘍にいたる幅広い疾病の診療を行っている。とくに糖尿病、消化器、肝臓、循環器、呼吸器疾患については専門医による質の高い医療を行っている。外来診療は、一般内科、消化器科、糖尿病科、循環器科、呼吸器科があり、また特殊外来として東洋医学科と神経内科がある。

     糖尿病については、予備軍や糖尿病と診断されてまもない患者に対して2週間のクリニカル・パス入院を設定しており、合併症を含めた精密検査はもとより糖尿病教育、栄養指導、運動療法の指導を行って糖尿病を正しく理解してもらうことに努めている。患者のみならず一般者も対象とした糖尿病教室を定期的に開催している。

     消化器疾患については、早期発見・早期治療を心掛けており、とくに消化器癌の早期診断、ステージ診断に力を入れて的確な治療選択を行っている。治療内容と実績は次項にあげているが、早期癌についてはITナイフを使用した内視鏡的切除術を積極的に行っている。また県立成人病センターとタイアップして消化器癌の化学療法および末期がんのターミナルケアにも積極的に取り組んでいる。

     循環器疾患では、診断においては次項にあげた検査をルーチン検査としており、不整脈や虚血性心疾患の早期診断に力を入れている。高血圧を代表とする循環器疾患の背景には動脈硬化が深くかかわっていることが多く、また放置すれば心筋梗塞、脳梗塞、さらには心不全や腎不全などに進展する可能性を踏まえて早期診断と的確な管理・きめ細かな治療を行っている。

     呼吸器疾患では、平成16年4月から専門医が着任し、増加する肺癌、喫煙と関係の深い肺気腫・慢性気管支炎などの慢性閉塞性肺疾患、治療ガイドラインが確立してきた気管支喘息などに対しても専門的な診断と治療を行っている。またリニアックの稼働に伴い肺癌の内科的治療はがん専門病院と同じことができるようになっている。また生活習慣病につながる睡眠時無呼吸症候群(SAS)に対しても簡易検査を取り入れ診断している。

  2. これ迄の実績
    2004年1月〜9月(9ヵ月間)
    項目 件数
    糖尿病クリニカル・パス入院患者数 25
    上部消化管内視鏡検査 851
    下部消化管内視鏡検査 168
    内視鏡的止血術 10
    食道静脈瘤結紮術 3
    上部消化管粘膜切除術 9
    下部消化管ポリープ切除術 55
    内視鏡的逆行性胆道膵管造影 45
    内視鏡的乳頭切開・ドレナージ術 21
    内視鏡的砕石術 25
    腹部・甲状腺エコー検査 1053
    経皮的肝生検 33
    経皮的肝胆道ドレナージ 4
    経皮的ラジオ波焼灼術 8
    インターフェロン療法 19
    ホルター心電図 326
    心エコー検査 909
    トレッドミル負荷心電図 215
    心筋シンチ 86
  3. 今後の方針

     当院では平成16年4月から生活習慣病外来が開設され、生活習慣の相談から疾病のスクリーニングおよび精密検査を行い、有病者の早期発見、早期治療を行っている。将来は生活習慣外来と専門外来が密接にリンクして生活習慣の介入による疾病の予防から治療にいたるまで一貫した指導と管理を行ってゆきたい。またB型・C型肝炎についてはがん予防を視野に入れた肝炎患者の早期発見ときめ細かなマネージメントを行い、インターフェロンなどの抗ウィルス療法を積極的に導入してゆくとともに、肝癌の早期発見・早期治療を目指したハイリスクグループのトータルケアーを行ってゆきたい。さらに高齢化に伴い内科疾患に限っても複数の疾患を合併しているケースが多くなってきたので、各専門医によるチーム医療を行ってゆきたい。院内はもとより院外からのセカンド・オピニオンにも積極的に対応してゆくつもりである。

  4. スタッフの紹介

    当診療科のスタッフ9名のプロフィールは以下の通りである。

    加堂 哲治(副院長兼内科部長、昭和49年卒)
    日本内科学会認定医・指導医・近畿地方会評議員、日本呼吸器学会専門医・代議員、日本循環器学会専門医、日本肺癌学会評議員
    尹 聖哲(消化器科部長、昭和57年卒)
    日本内科学会専門医・指導医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会専門医、日本超音波学会専門医・指導医・評議員
    中道 恒雄(内科部長、昭和58年卒)
    日本内科学会認定医・指導医
    M田 昌範(循環器科部長、昭和58年卒)
    日本内科学会専門医・指導医・近畿地方会評議員、日本循環器学会専門医・近畿地方会評議員、日本脈管学会評議員
    犬島 浩一(内科医長、平成4年卒)
    日本内科学会認定医
    尠{ 喜雄(消化器科医長、平成6年卒)
    小池 隆史(消化器科医員、平成6年卒)
    高橋 直人(専攻医、平成14年卒)
    石橋 杏里(研修医、平成15年卒)
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3.外科の紹介

外科  足立 確郎

  1. 診療内容の特色

     当科は、日本外科学会認定施設、日本消化器外科学会専門医修練施設の指定を受けており、5名の経験豊かなスタッフが活躍している。取り扱う疾患は、消化器外科を中心に甲状腺外科、乳腺外科、ヘルニア、肛門外科まで幅広く、最近では腹腔鏡を使った手術や乳癌の手術が増加している。

     また、当院では癌の集学的治療(手術、化学療法、放射線治療)に力を入れており、外来の化学療法室の整備、新しいリニアック放射線治療機器の整備などによってレベルの高い治療体制を整えている。これらの結果、乳癌、食道癌、胃癌、大腸癌、直腸癌、肝癌などにおいてその成果をあげている。

  2. これまでの実績

     昨年1年間の手術症例数をご紹介する。

    甲状腺の手術 3例
    乳癌の手術 83例
    食道癌の手術 5例
    胃癌の手術 39例
    大腸・直腸癌の手術(腹腔鏡によるもの2例) 48例
    虫垂炎の手術 11例
    肝癌の手術 2例
    胆石の手術(腹腔鏡によるもの32例) 43例
    膵臓癌の手術 5例
    ヘルニアの手術 54例
    下肢静脈瘤の手術 4例
    肛門の手術 69例
  3. スタッフの紹介
    足立 確郎(副院長兼外科部長、昭和50年卒 消化器外科・一般外科担当)
    日本外科学会専門医・指導医、日本消化器外科学会認定医・指導医、日本消化器病学会専門医
    佐古田 洋子(外科部長、昭和54年卒 乳腺外科担当)
    日本外科学会専門医・指導医、日本乳癌学会専門医
    白岩 浩(外科部長、昭和58年卒 消化器外科・一般外科担当)
    日本外科学会専門医、日本消化器外科学会認定医、日本消化器病学会専門医
    太田 恭介(外科医長、平成1年卒 消化器外科・一般外科担当)
    日本外科学会認定医、日本消化器外科学会認定医、日本消化器病学会認定医
    高橋 毅(外科医長、平成7年卒 消化器外科・一般外科担当)
    日本外科学会認定医
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4.整形外科・リハビリテーション科の紹介

整形外科・リハビリテーション科  原田 俊彦

  1. 診療内容の特色

     当科は東播地域の総合病院では最大の整形外科病床数(80床)を有し、脊椎疾患、関節疾患、骨折等の手術治療を中心に、スポーツ傷害の診療、運動器疾患のリハビリテーションなど幅広い整形外科診療を行っている。

  2. これまでの実績

     当科の特徴として脊椎外科を主とした慢性疾患の手術症例が多いことがあげられる。年間の手術件数は約500件で、そのうち脊椎外科手術が約80件、人工関節手術約50件、関節鏡手術約50件などであるが、最近は外傷症例も増加傾向にあり、骨接合術も年間約120件施行している。また臨床だけでなく学術活動にも力を入れており、学会や論文発表は国内だけでなく海外にも積極的に発表している。

  3. 今後の方針

     今後も脊椎外科、関節外科、外傷外科など整形外科のmajor surgeryを中心とした診療活動を継続するが、関節鏡手術など関節外科だけでなく脊椎外科分野でも小侵襲手術を導入しており、急性期病院として手術件数の増加と在院日数の減少を目指している。

     また特色ある診療内容としてスポーツ整形外科があり、一般アスリートからトップアスリート(プロサッカー選手が多い)にいたるまで、スポーツ傷害の診療を行っている。平成18年にはのじぎく国体も控え、メディカルチェックやドーピング対策なども含め、さらにスポーツ整形外科診療を推し進める予定である。

     当科は従来より緊密な病診、病病連携が取れた診療科であり、東播地域の整形外科診療の中心的役割を担ってきた。今後も良好な医師会との連携を維持してゆきたい。

  4. スタッフの紹介
    原田 俊彦(診療部長兼整形外科・リハビリテーション科部長、昭和56年卒)
    専門:脊椎外科、スポーツ整形外科
    日本整形外科学会専門医、脊椎脊髄病外科学会認定指導医、日本体育協会公認スポーツドクター、日本リウマチ学会認定医
    角田 雅也(整形外科医長、昭和61年卒)
    専門:外傷、関節外科、骨粗しょう症
    日本整形外科学会専門医
    日野 高睦(リハビリテーション科医長、昭和62年卒)
    専門:肩関節、手の外科
    日本整形外科学会専門医、日本リハビリテーション学会臨床認定医
    高山 博行(整形外科医長、平成5年卒)
    専門:脊椎外
    日本整形外科学会専門医
    青木 謙二(整形外科医長、平成5年卒)
    専門:関節外科、小児整形外科
    日本整形外科学会専門医
    横山 公信(整形外科医員、平成11年卒)
    高橋 完靖(整形外科医員、平成13年卒)
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5.皮膚科の紹介

皮膚科  足立 厚子

  1. 診療内容の特色および実績
    1. アレルギー疾患

       当科のメイン。蕁麻疹、接触皮膚炎(手湿疹を含む)、金属アレルギー、アナフィラキシー、薬疹、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患について、問診、血液検査、皮膚テスト、負荷テストなどを行い、原因物質の検索を行っている。薬剤、化粧品、医薬部外品、日用品のアレルギーでは成分をメーカーより取り寄せ検査をすることにより、原因成分を決定し安全な代替品を紹介する。即時型アレルギーの一部では減感作治療を施行している。(蜂毒ショック、花粉アレルギーなど)。

       最近花粉症やラテックス(ゴム)アレルギーに伴う果物や野菜に対する口腔アレルギー症候群(OAS)や食物アレルギー、食事依存性運動誘発性アナフィラキシー(FDEIA)が増加している。若い人に起き易く、生命を脅かす病気であるため、正確な原因診断および治療が必要である。重症型薬疹も致死的になるため、治療および原因薬の究明および再発予防に力を入れている。

    2. 膠原病、血管炎、水疱症などの自己免疫疾患、べーチェット病

       全身疾患の診断を皮膚臨床所見や病理所見から診断をつけることが出来ることも多く、早期診断および重症例では入院加療を行っている。

    3. 皮膚悪性リンパ腫、血液疾患に伴う皮膚病

       病理組織、免疫染色、遺伝子再構成、フローサイトメトリー、原因ウイルス検索などを施行し、診断、病態の解明し、免疫療法・手術・化学療法・放射線療法を施行している。

    4. 皮膚良性および悪性腫瘍

       外科的手術、放射線治療、化学療法により集学的治療をしている。皮膚生検による病理診断のもとに、全身管理を含めた疾患自身の予後のみでなく、手術創の整容的予後の改善にも努力している。

    5. 陥入爪甲

       人工爪による治療をしている。

    6. 脱毛症

       紫外線治療・SADBE治療をしている。

    現在の設備
    皮膚科入院定床:12床(実際には13-19床使用)
    東芝デルマレイ紫外線治療器全身型
    東芝デルマレイ紫外線治療器部分型
    サージトロン高周波メス(Ellman)
    イオントフォレーゼ
  2. 今後の方針
    1. 兵庫県は未だ県病院における自由診療を認可しておらず、現在ケミカルピーリング・レーザー治療などは行っていない。可及的早期に美容皮膚科も展開したい。
    2. アレルギー疾患については来院患者の診断治療のみではなく、地域の学校・社会における疫学調査を行い、発症・重症化予防にも貢献したい。
    3. 高齢化社会となり、皮膚癌の増加が予想される。手術療法以外の光力学療法も導入したい。
  3. スタッフ紹介
    足立 厚子(皮膚科部長、昭和54年卒)
    専門分野:アレルギー疾患、膠原病・水疱症などの自己免疫疾患、リンパ腫など
    日本皮膚科学会専門医、日本アレルギー学会代議員、日本接触皮膚炎学会理事
    清水 秀樹(皮膚科医長、平成8年卒)
    専門分野:アレルギー疾患、皮膚外科
    日本皮膚科学会専門医
    皿山 泰子(皮膚科専攻医、平成13年卒)
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6.泌尿器科の紹介

泌尿器科  田中 宏和

  1. 診療内容の特色

     地域拠点病院の性格上、癌、結石、前立腺疾患、感染症、神経因性膀胱、尿失禁、EDなどあらゆる泌尿器科疾患に高いレベルで対応している。

    1. 前立腺癌の診断・治療に多くの実績がある。
    2. 浸潤性膀胱癌に対して膀胱温存治療を積極的に行っている。
    3. 尿路結石に対する体外衝撃波破砕手術を通院でも行っている。
    4. 腎疾患の手術には積極的に腹腔鏡手術を併用している。
    5. 女性の尿失禁手術を行っている。
  2. これまでの実績
    症例数・治療成績
    外来患者数は1日平均55人、うち新患5人である。
    入院ベッドは30床、利用率は約95%である。
    年間手術件数は約500例(うち体外衝撃波結石破砕術は約150例)である。また、前立腺生検は年間250例に行っている。

     主な手術は膀胱癌に対する経尿道的切除術が年間90例、前立腺肥大症に対する経尿道的切除術が年間70例、前立腺癌に対する前立腺全摘術が年間56例で現在までに約160例行っている。また、腎癌などに対する腎摘除術は年間約12例であり、腹腔鏡手術は現在までに21例経験している。膀胱癌に対する膀胱全摘術の際には、排尿可能な代用膀胱造設術を積極的に行っており、約10例経験している。最近、女性の腹圧性尿失禁に対する手術(TVT手術)を導入し、現在までに5例に行い、良好な成績をあげている。

     また、浸潤性膀胱癌に対して、動脈からの抗癌剤注入と放射線療法との併用による膀胱温存療法は、9年前より開始し、現在33例の患者に行っている。うち28例(85%)は完治し、5年生存率は約90%と良好な成績である。

  3. 今後の方針

     今後、人口の高齢化に伴い、ますます泌尿器科疾患は増加するものと考えられる。われわれも常に最新最良の医療を目指し、幅広く県民のニーズに応じたいと願っている。少人数で極めて多忙ではあるが、看護師、技師、薬剤師などとのチーム医療を充実させ、安全かつ誠実な医療をモットーに日々の診療に取り組んで行きたい。

  4. スタッフの紹介

     スタッフは医長2名と専攻医(卒後3年〜5年)1名の計3名である。専門はあらゆる泌尿器科疾患に対応のため特に決まっていない。

    田中 宏和(科長、昭和61年卒)
    日本泌尿器科学会認定専門医・指導医
    小野 義春(医長、平成5年卒)
    日本泌尿器科学会認定専門医・指導医
    千葉 公嗣(専攻医、平成13年卒)
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7.産婦人科の紹介

産婦人科  保科 眞

  1. 診療内容の特色

     当科では平成16年4月より小児科医不在と云う現実の中、新生児の管理が不充分になるために、産科部門が休診となっており、多くの方々に大変御迷惑をお掛けいたしました。

     診療内容は婦人科が中心となったものの、妊娠12週までの妊婦、特に子宮外妊娠などの異常妊娠は現在も取り扱っている。さらに子宮・卵巣悪性腫瘍の集学的治療とフォローアップ、中高年婦人の更年期障害に対するHRT(ホルモン補充療法)、生活習慣病にまつわる高脂血症・高血圧の治療、子宮・卵巣の良性腫瘍手術、子宮膀胱脱の根治手術などが主な診療内容となっている。

  2. これまでの実績

     本年1月より10月末日までの実績は以下の通りである。

    子宮悪性腫瘍手術 8例
    卵巣悪性腫瘍手術 7例
    腹式子宮全摘術 58例
    腟式子宮全摘術 4例
    卵巣良性腫瘍手術 20例
    子宮脱根治術(腟式子宮全摘ならびに腟壁形成術) 14例
    子宮筋腫核出術 5例
    悪性腫瘍化学療法 55クール
    リニアック治療(進行子宮頚癌) 7例
    死亡(全て癌末期患者) 6例
  3. 今後の方針

     当科では地域の中核病院として子宮・卵巣悪性腫瘍の手術・化学療法、さらにそれらのフォローアップを中心に積極的に行ってゆく。特に本年5月より最新のリニアック装置も設置され放射線治療も一層充実した。中高年婦人の生活習慣病や更年期障害の管理は将来の重篤な疾患の発症を減少させ地方経済にも大きく寄与するはずである。

     2名の産婦人科医で戦力は見劣りするが、1例1例洗練された技術と人間味ある誠意をこめて婦人科の治療を行う所存である。今後とも手術症例や放射線治療症例のご紹介をお願いしたい。

  4. スタッフの紹介
    保科 眞(産婦人科部長、昭和46年卒)
    専門分野:生殖内分泌、腫瘍学
    産婦人科認定専門医、日本内分泌学会代議員、母体保護法指定医
    神戸大学医学部臨床教授(平成14年)
    辻野 太郎(産婦人科医長、平成11年卒)
    産婦人科認定専門医、日本産婦人科学会員

    現在、産婦人科の医師は2名であるため、木曜日は外来休診とし手術日としている。

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8.眼科の紹介

眼科  薄木 佳子 ・ 田邊 益美

  1. 診療内容の特色と実績

     眼科外来は医師4名・視能訓練士3名・看護師2名(全員女性)で診療をおこなっている。地域の中核病院としての機能が高まり、近隣の先生方からの紹介が年々増加してきている。入院・手術加療を要する症例もそれにともなって増加してきており、昨年の手術件数は約650件である。

     外来での診療内容は多岐にわたっており、白内障・緑内障・ぶどう膜炎・網膜静脈/動脈閉塞(眼底出血)・角膜疾患・視神経疾患・黄斑疾患・糖尿病網膜症などの診療・検査を行っている。内科の影響で以前より糖尿病の患者様が多く、糖尿病網膜症で視力に障害が残る方が一人でも減るよう蛍光造影検査を繰り返し行い、レーザー治療をしている。最近話題の黄斑変性症に対しては診断に欠かせないICG造影が可能である。また斜視や子供の弱視の治療は、予約制で午後に行っている。緊急手術を要する網膜剥離の方も多くなってきている。

     手術は月曜(午後)、水曜(午前午後)と木曜日(午後)に行っており、手術の内容としては、外来通院で、主に斜視・逆まつげ・眼瞼下垂・涙道閉塞(総涙小管閉塞など)・翼状片の治療を行っている。白内障は入院のみでなく外来通院での手術も行っている。安静のとりにくい方には、全身麻酔による手術も可能。また以前に白内障手術をして眼内レンズの入っていない方に眼内レンズを入れる手術(縫着)も行っている。ほかに入院手術として、硝子体手術(糖尿病網膜症、黄斑円孔、黄斑前膜、硝子体出血など)、網膜剥離手術(症例に応じて硝子体手術と強膜内陥術を選択)・緑内障手術・涙嚢鼻腔吻合術・子供の手術(斜視・眼瞼内反症)など行っている。

  2. 今後の方針

     最近ロービジョン外来を始め、視力の出にくい方にいろいろな道具を使って生活の質を上げることのお手伝いをしている。(道具によっては身体障害者手帳があれば補助を受けることも出来る)。また、瞼や顔の痙攣する方に対してボトックス療法も開始し治療が可能になった。

     診療の方針として、一人一人の生活スタイルを重視して治療方法を選択し、患者様に最良の医療を提供できるように努力していきたい。

  3. スタッフの紹介
    薄木 佳子(眼科科長、昭和60年卒)
    長井 知子(眼科医長、平成9年卒)
    田邊 益美(眼科医長、平成4年卒 内科より転向)
    中 真衣子(眼科研修医、平成15年卒)
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9.耳鼻咽喉科の紹介

耳鼻咽喉科  中山 正子

  1. 診療内容の特色

     平成16年4月より常勤医が従来の2人から1人になり、現在週3日は1診での外来診療となり、木曜日のみ前任の阪本医長(現在は県立こども病院医長)と2診で外来診療を行っています。午前診は予約患者と新患、午後は予約患者と院内依頼患者の診療をおもに行っています。月、木曜日に聴力検査を行い、補聴器装着の相談にも応じています。その他、急性炎症の加療及び、顔面神経麻痺や突発性難聴の点滴治療もおこなっています。

     毎週水曜日には手術日をもうけ、扁桃摘出術、喉頭微細手術、内視鏡下鼻内的副鼻腔手術などの手術を予約制でおこなっています。耳下腺、顎下腺良性腫瘍手術については、手術応援の医師を依頼しておこなっていますが、依頼医師との日程調整のため、手術日の決定までに時間を要する現状です。

  2. スタッフ紹介
    中山 正子
    平成6年:神戸大学耳鼻咽喉科教室入局
    平成10年:県立加古川病院赴任
    平成11年:耳鼻咽喉科専門医
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10.放射線科の紹介

放射線科  長江 利幸

  1. 診療内容の特色

     放射線科ではCT、核医学検査、消化管造影検査、血管造影、MRIなどの各種画像診断を行なっている。放射線治療は、本年5月よりリニアックの更新に伴い成人病センターとの連携で日本腫瘍学会認定医(余田、辻野)が担当している。

  2. これまでの実績

     画像診断部門では、血管造影は腹部疾患を主に造影診断、動脈塞栓術、動注治療を年間75例、消化管造影は上部消化管と注腸検査を中心に年間約800件、CT,MRIでは整形外科領域を除き、それぞれ年間約4000件、約500件の検査、読影を行なっている。

     核医学検査部門では心臓核医学検査を除き年間約800件の検査、読影、また、放射線治療部門では機器更新以降で一日照射件数が20人前後となっている。

    病床数は4床で、放射線治療が必要な患者様を受け入れている。

    ※放射線治療システムを更新(平成16年5月)

    • 最新のリニアック装置

       この装置は、三菱シルフィース MHCL−15DPである。4、10MVのX線が出力可能で電子線は4、6、9、12、15MeVが出力可能である。

       異なるエネルギーを使用することにより、腫瘍の位置、深さによって使い分けできるようになり精度の高い放射線治療が可能となった。

       また、マルチリーフコリメータ(MLC)の導入により複雑な不整形の照射野が作成できる。これは腫瘍の形を忠実に再現することが可能で腫瘍に近接する重要臓器を確実に防護することができる。回転照射、振子照射などの運動照射と連動して照射中に形状を変えることで精度の高い3次元原体照射が可能になった。

    • 新しくCTシミュレータを導入

       CT画像を治療計画装置にオンライン転送しCTの基準点より腫瘍中心を導きだすCTシミュレータを新たに導入した。これにより照射野をミリ単位まで合わせることが可能になった。

    • 3D治療計画装置

       CMS社製フォーカス・イクシオで3次元的に線量分布、腫瘍形状を見ることができ従来の2D型治療計画装置にくらべ腫瘍と各臓器の位置関係、被曝線量、照射角度等を的確に把握することが可能になった。

  3. 今後の方針

     機器の更新とともに診療体制を充実させ、放射線治療を必要とする患者様により精度の高い治療に心がけ、地域医療に貢献したいと考えている。

  4. スタッフの紹介
    長江 利幸(常勤医師、昭和57年卒)
    玉岡 康志(非常勤医師、昭和63年卒)
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11.麻酔科の紹介

麻酔科  浜谷 進

  1. 診療内容の特色と実績

     本院麻酔科では年間800例あまりの症例を二人の麻酔科専門医で管理している。全身麻酔症例のすべてと局所麻酔症例のごく一部で、これは本院の年間手術件数約2500例の約3割を占める。

     われわれの目標は「周術期の安全と安楽を安定して提供すること」であり、具体的には自分自身や身内が受けてもいいと思える麻酔・手術・術後管理を安定して提供することである。インフォームド・コンセントの重要性が年々高まる中にあって、診療は予測可能性を高めることが強く求められる。また、些細なミスがその日のうちに全国的なニュースになってしまう状況にあっては、安全性と安定性の確保が最重要課題であろうと考える。

     約30年前に始まった持続硬膜外麻酔を併用した全身麻酔が、術後の鎮痛が良好なことから、現在では胸・腹部・下肢手術の麻酔の標準手法になった。本院では、この手法と併行してオピオイドの持続静注による術後鎮痛を早くから手がけてきた。持続静注法の利点はさまざまな程度の疼痛に対して短時間で安全・確実にオピオイドの必要量をタイトレーション可能なことである。これはオピオイドの必要量に非常に大きなバリエーションがある癌性疼痛の初期管理に際しても極めて有効なツールになり得ると考える。

     また、近年、PCA法(Patient Controlled Analgesia)・PCEA法(Patient Controlled Epidural Analgesia) などという、必要なときに患者自身が鎮痛剤の追加投与をできる器具が普及しており、術後鎮痛・癌性疼痛への利用が始まっている。

     当院麻酔科ではマンパワーの問題などで疼痛外来を開いておりません。また、特殊な神経ブロックには対応できませんが、癌性疼痛に関しては個別にご相談いただければ上記のような手法によりある程度お役に立てることがあるかもしれません。

  2. スタッフの紹介
    佐藤 英子(昭和49年卒)
    濱谷 進(昭和52年卒)
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12.編集後記

 日頃は県立加古川病院の運営にご協力を賜り感謝申し上げます。本院は創立68年になりますが、今まで医療情報の発信はあまり行っていませんでした。

 院内構成員が各診療科や各部署で行われている業務内容をお互いに理解するとともに、広く地域医療機関の方々にも医療情報を提供することを目的としてつくりましたこの小冊子ですが、今回は各診療科の紹介が中心になりました。不慣れな点があり必ずしもご満足頂ける内容でないかも知れませんが、今後は年2回の発行を目標にして内容を一層充実させたいと思っております。また学会などのトピックスや各診療科・部署の新しい取り組みなどもご紹介いたしたいと考えています。この医療ニュースによって、県立加古川病院の活動・診療内容が少しでも伝わり、日常業務のお役に立てれば幸いです。

平成17年1月  加堂 哲治

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お問合せ

〒675-8555 加古川市加古川町粟津770-1

兵庫県立加古川病院

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TEL 079-423-0001  FAX 079-423-3820

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