睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)に罹患していると、良質な睡眠がとれず、起床時の頭痛、夜間の頻尿、昼間のねむけ、活動能力・運動能力の低下などを引き起こします。さらに最近の研究では、高血圧、心筋梗塞などの虚血性心疾患、脳血管障害、糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病を高率に合併し、生命予後に影響を与えることが明らかになりました。 SASは、「10秒以上続く無呼吸や低呼吸が、一晩の睡眠中(7時間)に30回以上、もしくは睡眠1時間に平均5回以上認められ、かつその一部は、健康な人では最も規則正しい呼吸が観察できるノンレム(nonREM)睡眠と呼ばれる睡眠中にも認める場合」と定義され、患者数は一般住民の1.7%、日本全体で200〜300万人と推定されています。 SASの診断は、はじめに問診やアンケート調査を行います。場合によっては次にスクリーニング検査(睡眠時酸素飽和度モニター)や簡易検査(呼吸・いびき・胸郭運動・酸素飽和度)を行なうこともあります。簡易検査では無呼吸や低呼吸の合計が1時間当たり(無呼吸低呼吸指数:AHI)40回以上である重症の方は、簡易検査の結果のみで健康保険診療による内科的治療の中心のCPAP(持続陽圧呼吸)治療の導入が可能です。しかし、無呼吸低呼吸指数が40回未満の中等症および軽症の方では、脳波を含めた精密な終夜睡眠ポリグラフ(PSG)検査(脳波・呼吸など約20項目)を行なうことが健康保険で規定されています。このためスクリーニング検査や簡易検査を行なわず、最初からPSG検査をする方が合理的だと言われています。 当院では今まで簡易検査しか行っていませんでしたが、平成20年3月より1泊2日の終夜睡眠ポリグラフ(PSG)検査を開始しました。基本的には金曜日の午後に入院していただき(個室)、消灯前に臨床検査技師がPSGを装着し、一晩睡眠していただき、起床後装置をはずし退院していただきます。結果や今後の治療方針は約1週間後外来主治医が説明いたします。費用は約3万円(保険の種類等により金額が変わります)です。 いびきや昼間のねむけなどで悩んでおられる方は、ぜひ一度終夜睡眠ポリグラフ(PSG)検査を受けてください。